画像生成AI利用における注意点と著作権の問題
MidjourneyやStable Diffusionなどの画像生成AI利用時の注意点や著作権の問題について解説します。
AIと著作権
画像生成AIはインターネット上にある大量の画像を学習し、指示に基づいて画像を出力します。学習のベースとなる画像の著作権はどうなっているのか?という疑問があります。
海外にはフェアユースという仕組みがあり、著作権者の権利を侵害せず作品を利用する方法があります。主に教育や調査、研究などの名目で利用する場合はフェアユースが認められるケースがあります。
学習のベースとなるデータセットはフェアユースの適用範囲内であるというのがAI企業の主張です。フェアユースはアメリカや韓国、シンガポール、イスラエルなど複数の国が導入していますが日本はまだ導入されていません。
AIが生成した作品に著作権は発生するか?
AIが生成した画像や文章に著作権は発生するのか?という疑問もあります。
ここではアメリカ著作権局が2023年3月に発表した内容を紹介します。
以前にAIを使って作成されたZarya of the Dawnというコミックが話題になりました。
クリス・カシュタノバ氏がMidjourneyを使って制作したコミックで2022年9月に著作権登録申請が審査を通過しました。
しかし、後に著作権局は「AIが生成した画像に著作権は認められない」と判断を覆しています。著作権局はAIが生成した画像であることを見逃していたと主張しています。
その後、カシュタノバ氏が反論した結果、画像以外の部分はカシュタノバ氏の著作権が認められています。
判断は二転三転していますが、AIが生成した画像については著作権は認めないというのが最終的な判断です。
国内の事例
国内ではイラストAIのmimicがサービスを停止しました。mimicは最大100枚の画像をアップロードすることで、画像の特徴を捉えた画像を生成することができるサービスです。
人気イラストレーターの画像が無断でアップロードされ悪用されるのでは?という声があがりサービス停止になりました。現在では不正利用対策を強化した上で再開しています。
他にも集英社が発表したAIグラビアも社内の検討が不十分だったという理由で販売が中止しました。
求められる倫理観
画像生成AIを使えば虚偽の画像も作成出来てしまう懸念もあります。2023年5月、X(Twitter)でアメリカ国防総省で爆発があったというツイートが拡散し株価が下落しました。
爆発の事実はなく、調査の結果ツイートに添えられた画像はAIが生成したフェイク画像である可能性が高いと言われています。
このような使い方は問題外ですが、画像生成AIを使う場合ユーザーには倫理観をもって利用することが求められます。
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